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⌂ 山口蓬春記念館

葉山でプロジェクトが始動してから、最も行ってみたかった処へ
少し前、紅葉が始まったばかりの時期にやっと訪れる事ができました。

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「山口蓬春記念館」です。
建築家吉田五十八によるアトリエ等の増築(1953・57年)が、目当て。
夏の展覧会で公開されていたにも関わらずタイミングが合わず、
今回、非公開のところをお願いして内覧させていただきました。

場所は神奈川県立美術館・葉山館のすぐ近く。
葉山の豊かな自然の中に存在します。

山口蓬春は日本画家です。
1971年に亡くなるまで過ごした葉山の住宅が記念館になっています。

エントランスは近年の記念館への改修(1991年)でつくられたもの。
鉄とガラスによる構成が木造の母屋や美しい庭と好対照を成しています。


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いきなりですが、メインのアトリエに踏み込みました。
サンルーム状のスペース(ヴェランダと呼ばれています。)を
介して庭の緑が飛び込んできます。

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窓際へ近づきます。敷地の高低差を生かしてお庭を一望する感じ。
置かれたテーブルセットも吉田五十八のデザインとのことです。
洋家具なのに数寄屋風。さすがですね。

それと画像だとちょっと分かりにくいのですが、
アトリエとヴェランダの床にはわずかに段差がつけられています。
座と椅子の視線を合わせるための細かい設計上の処理なのです。
ただ見た目だけではなく、人の動作や視線までも和と洋を融合させる
そのために実にきめ細かい配慮と工夫によって空間がつくられています。


housyun04.jpg

さらに窓の桟に寄ってみます。
横桟はエッジをつくって、より「線」として表現しています。
近づいても美しい造作ですが、
これが初見の庭の風景にも作用しているのです。


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アトリエとの間、障子を閉めたところです。
左側は壁面収納です。グリッドのリズムがきれいです。
障子は上部が個別に開閉するようになっています。
欄間の機能を残しながら、デザイン上はシンプルに
アトリエには光をたっぷりと取り込む設計です。


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壁面収納のアップです。
生地風の素材で引手等の金物を全く見せないつくりです。
障子に対して若干ランダムな割が空間に動きをつくっていますが、
これは収納の品物に応じて寸法を割り出したからだそうです。


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収納内部はこんな感じ。


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障子を閉めた状態で今度はヴェランダ側から見上げたところです。
さきほどの欄間状開口のディテールもよくよく見たいところですが、
他にも工夫があります。次の画像でわかるでしょうか。


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障子を少しだけ戸袋側へ引いてみたところです。
すると3枚構成の障子が収まるための隙間が急に出現しました。
実は写っている3枚目の障子の端部がL型状になっていて、
完全に障子を出すと隙間が消える仕組みになっているのです。
完全に建築マニア向けの見所です。


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ヴェランダの反対側にも窓があります。
ソファーと家具、障子が一体的にまとまったデザイン。
このようにアトリエは360度の壁面と天井・床の全方向で
卓越した構成美が形成しています。
この空間はどんな広角レンズでも撮影はできません。
現地へ行って体験あるのみ。


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続いて母屋も見学。
程良く廊下が雁行し、奥行感が増長され、
それぞれの部屋からは別のお庭が眺められます。
記念館とは言え、極力住宅部分は保存されており、
非常に落ち着いた気分で絵画を鑑賞できます。


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再び建具の詳細。抜け目のないコダワリ。


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天井も桟のリズムをそのままに、照明のデザインになる。


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2階に上ると瓦の波の向こうに水平線がひろがります。
気持ち良いです。


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庭先に出てみました。


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メインのお庭。木々の奥に建っているのがアトリエ棟。

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庭側からヴェランダスペースを見上げたところです。
外観も美しいプロポーションをしています。


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今回、否が応にも期待をして訪れましたが、
その期待を超えるものが待っていてくれました。
山口蓬春の作品と吉田五十八の建築との相性の良さも
また素晴らしい相乗効果を生み出しています。
近代美術館などと比べてメジャーなスポットではありませんが、
ゆったりとした気持ちになりたい時にオススメの場所です。



山口蓬春記念館

所在地:神奈川県三浦郡葉山町一色2320
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日、他(祝日の翌日、展示替え期間等)
電話:046-875-6094
ウェブサイト:http://www.jrtf.or.jp/hoshun/




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